車の所有者が死亡したら、どのような手続きが必要か
1 車も相続財産に含まれるため名義変更が必要です 2 車を取得する相続人を決めるまでの流れ 3 車の名義変更(移転登録)の手続き 4 手続きをしないままでいる場合の注意点 5 相続人以外へ譲渡・売却する場合 6 車を廃車にする場合の流れ 7 自動車保険の名義変更 8 相続放棄を検討している場合の注意点 9 車の相続で迷ったときは専門家への相談を
1 車も相続財産に含まれるため名義変更が必要です
車は、法律上は動産として扱われる財産です。
所有者が亡くなった場合、その車は預貯金や不動産と同様に相続の対象となり、相続人が所有権を引き継ぐことになります。
ただし、車は運輸支局などで所有者情報が管理されているため、相続により所有者が変わる場合には、名義変更(移転登録)手続きが必要です。
名義変更を行わずに放置すると、売却や廃車ができないだけでなく、事故が発生した場合の保険の利用に支障が出るおそれがあります。
2 車を取得する相続人を決めるまでの流れ
⑴ 相続人の確定
車に限りませんが、相続が発生した際には、まず誰が相続人であるかを法的に確定させます。
具体的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を収集し、相続人全員の戸籍謄本とあわせて確認します。
兄弟姉妹相続の場合や、代襲相続が発生している場合には、追加で収集しなければならない戸籍謄本もあります。
⑵ 遺産分割協議の実施
相続人が複数いる場合には、車を誰が取得するのかを、相続人全員で話し合います。
この話し合いを遺産分割協議といいます。
話し合いがまとまったら、その内容を遺産分割協議書に記載し、相続人全員が署名し、実印を押印します。
あわせて、相続人全員分の印鑑証明書も用意します。
3 車の名義変更(移転登録)の手続き
車を取得する相続人が決まったら、その相続人を新たな所有者として、名義変更手続きを行います。
手続きは、普通自動車の場合は運輸支局で行い、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で行います。
相続による名義変更で一般的に求められる書類は、次のとおりです。
①車検証
②被相続人および相続人の戸籍謄本類
③遺産分割協議書
④相続人全員の印鑑証明書
⑤ナンバープレート
⑥自動車保管場所証明書(車庫証明)
軽自動車の場合、遺産分割協議書が不要とされることもありますが、実務上は相続人間で取得者を明確にしておくことが大切です。
4 手続きをしないままでいる場合の注意点
相続が発生した際の車の名義変更には、法律上の明確な期限は定められていません。
しかし、名義変更をしないままでいると、次のような問題が生じる可能性があります。
①自動車税の納付書が被相続人宛てに届き、支払いが遅れる
②事故時に保険が適用されないおそれがある
③売却や廃車の手続きが進められない
これらのリスクを避けるためにも、相続開始後は早めに手続きを進めることが大切であるといえます。
5 相続人以外へ譲渡・売却する場合
相続人の中に車を使用する人がいない場合、売却や譲渡を検討することがあります。
ただし、通常は相続手続きを行わないまま第三者に売却や譲渡することはできません。
いったん相続人のうち誰が車を取得するのかを遺産分割協議で決め、名義変更を行ったうえで売却、譲渡する必要があります。
6 車を廃車にする場合の流れ
年式が古い場合や使用予定がない場合には、廃車処分を選択することもあります。
この場合も、基本的には相続人間で遺産分割協議を行い、取得者を決めたうえで名義変更をしてから廃車手続きを行います。
7 自動車保険の名義変更
車の所有者が亡くなっても、自賠責保険や任意保険が自動的に引き継がれるわけではありません。
車を引き継ぐ相続人が決まったら、速やかに保険会社へ連絡し、契約者や被保険者の変更手続きを行う必要があります。
この手続きを怠ると、万一の事故の際に補償を受けられなくなる可能性がないとは言い切れません。
8 相続放棄を検討している場合の注意点
被相続人に多額の借金があるなどの理由で相続放棄を考えている場合にも、注意が必要です。
車の売却や廃車などの処分行為を行うと、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。
相続放棄をする場合は、一旦車には手を付けず、家庭裁判所で正式な手続きを終えてから、車の扱いを検討するようにしましょう。
相続人全員が相続放棄をした場合には、相続財産清算人が車の処分を行うことになります。
9 車の相続で迷ったときは専門家への相談を
車の所有者が亡くなった場合、その車も相続財産として適切な手続きが必要です。
名義変更を行わずに放置すると、売却や事故などの場面においてトラブルにつながることがあります。
相続人が複数いる場合や、事業用車両が含まれている場合には、手続きが複雑になることも少なくありません。
不明点がある場合には、運輸支局などの自動車関係業者のほか、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家に相談し、確実に手続きを進めることが大切です。






























