相続人の一人が海外在住の場合、どのように相続手続きを進めるか
1 相続人が海外在住であっても国内のルールに従って手続きをする 2 相続人が海外にいる場合の基本的な考え方 3 一般的に必要となる書類について 4 遺産分割協議の進め方 5 不動産や預貯金の相続手続き 6 海外在住者がいる場合の注意点
1 相続人が海外在住であっても国内のルールに従って手続きをする
相続手続きを進める際、相続人の中に海外在住者が含まれるケースは珍しくありません。
近年は仕事や結婚などで海外に移住している方も多く、相続人の一部が日本国外に住んでいることは十分にあり得る状況です。
相続人の一人が海外在住の場合でも、国内の相続人と同じように相続手続きに参加しなければなりません。
その際には、印鑑証明書に代わる署名証明書(サイン証明書)の取得が必要となるなど、書類の準備や郵送に時間がかかるという特徴があります。
また、時差がある場合、連絡がスムーズに行えないこともあります。
こうした事情から、海外在住者が関わる相続手続きは、国内在住の相続人だけで完結する手続きよりも煩雑で時間がかかる傾向にあります。
スムーズに進めるためには、早めに必要書類を確認し、余裕を持って準備を始めることが大切です。
以下、海外在住の相続人が関わる相続手続きについて、必要な準備や注意点等を説明します。
2 相続人が海外にいる場合の基本的な考え方
相続手続きにおいては、基本的にすべての相続人が関与しなければなりません。
例えば、多くの相続手続きの前提となる遺産分割協議は、相続人全員が合意していないと、無効となってしまいます。
相続人が海外に住んでいる場合であっても手続きを省略することはできず、国内在住者のみの場合と同じように遺産分割協議書の作成や署名押印を行う必要があります。
一方、海外在住者が日本に一定期間帰国し、直接話し合いをすることや、役所に出向いて印鑑登録や印鑑証明の発行をするというのは、現実的に困難であると考えられます。
そのため、通常は国際郵便や現地の公的機関を利用して必要書類を整えることになります。
3 一般的に必要となる書類について
⑴ 印鑑証明書の代わりとなる署名証明書(サイン証明書)
日本国内の相続手続きにおいては、遺産分割協議書などの書類に実印で押印をする際、印鑑証明書を添付するのが原則です。
しかし、一般的に、海外在住者は日本の市区町村で印鑑登録をすることができないため、印鑑証明書を取得することができません。
そこで代替手段として、在外公館(日本大使館や領事館)で発行される署名証明書(サイン証明書)を利用します。
⑵ 在留証明書
相続人が実際に海外に居住していることを証明するため、場合によっては在留証明書の提示が必要になることも考えられます。
これも大使館や領事館で取得可能です。
⑶ パスポートの写しなど
相続手続きを行う機関によっては、本人確認のためパスポートの写しなどの提示を求められることがあります。
4 遺産分割協議の進め方
一般的に、相続手続きをする際には、遺産分割協議をして遺産分割協議書の作成を済ませておく必要があります。
相続人が複数いる場合、誰がどの財産を取得するかを話し合い、合意内容を文書化する必要があります。
法律上、遺産分割協議は相続人全員で行わないと効力が発生しませんので、海外在住者の相続人も、国内の相続人と同様に協議に参加する必要があります。
実際の方法としては、次のような手段が考えられます。
まず、電話やオンライン会議などを利用し、遠隔で話し合いを行うことが挙げられます。
話し合いがまとまったら、海外在住者に遺産分割協議書を郵送し、内容を確認してもらったうえで署名証明書を添付して返送してもらう形になります。
また、専門家に代理を依頼するという方法も挙げられます。
海外在住の相続人が話し合いに参加するのが難しい場合、委任状を作成し、遺産分割協議やその後の相続手続きの代理を依頼します。
これにより、代理人は遺産分割協議や名義変更の手続きなどを本人に代わって行うことができます(なお、法律事務に関する代理ができる専門家は弁護士のみです)。
5 不動産や預貯金の相続手続き
⑴ 不動産の相続登記
遺産分割協議の結果、海外在住の相続人が被相続人の不動産(土地や建物)を取得することになった場合、法務局で相続登記の手続きが必要になります。
海外在住の場合、在留証明書が必要になります。
相続登記は、弁護士や司法書士に代理を依頼することもできます。
⑵ 預貯金や有価証券の解約、払い戻し、名義変更
銀行や証券会社における相続手続きでも、署名証明書が印鑑証明書の代わりとして用いられます。
各金融機関によって必要書類が異なるため、事前に確認することが大切です。
これらの手続きも、専門家に代理を依頼することができます。
6 海外在住者がいる場合の注意点
海外在住者が関わる相続手続きでは、次の点に注意が必要です。
まず、書類のやり取りには国際郵便を利用することが多いことから、国内でのやり取りと比べ、時間がかかる可能性が高いといえます。
場合によっては、書類の往復に数週間かかる場合もあります。
手続きを急ぎたい場合は、早めに準備を始めることが大切です。
また、海外で育っているなどの事情によって、相続人が日本語に不慣れな場合、日本の相続制度や、書類の内容を十分に理解できるよう、平易かつ丁寧な説明をするなどの配慮が必要です。
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